ゆめと因紅の三原色

プラレールの改造とたまに日常と小説

東方幻実伝:1-1

 

幻想郷、大人気弾幕シューティングゲーム東方projectの舞台となる場所で人間や妖怪、神様などが暮らしている……。

と、ここまで聞くとほのぼのとした感じに聞こえるが里から出た人間を妖怪が食ったり、襲ったり、そして人間たちが退治する物理的にも波乱万丈な土地、な筈だ。


実際のところは見て回らなければわからないが少なくとも今が自分にとって平穏な時期ではないのは明白だ、なぜなら……。


「ちくしょォォォなんでこうなんだ!?!?」

「あはー♫待つのだー私の晩御飯ー♫」


絶賛追いかけ回されている最中なのだから

 

 

 


東方project

先に述べた通り弾幕シューティングゲームなのだがゲームというからにはそれぞれ舞台やステージがあり、それらの出来事を東方の世界では異変と呼ばれている。

その異変をあらかじめカードに技を込めた『スペルカード』を使った勝負、通称『弾幕ごっこ』によって解決していくというのが大まかな趣旨である。

 


そしてその中に紅霧異変と呼ばれる出来事があるのだが空が紅く染まっている今の状況がすごくそれっぽい。

確か原因は吸血鬼のレミリア・スカーレットが昼間も出歩けるように起こしたとかそんな感じだった気がする。けどそんなことは今は重要ではない……。


「むー!なんで待ってくれないのかー?というかなんで追いつけないのかー?」

「知るか!生きるのに必死なんだよこっちは!!」


追いかけてくる相手ーー妖怪ルーミアの存在が幻想郷にいるという事を裏付けているも同然だっだ

 

 

紅霧異変が起こってる舞台となるゲーム、東方紅魔郷

その最初のステージ、ステージ1のボスがこのルーミアなのだが、最初だからって実は侮ってはいけない。


ルーミアは闇を操る人喰い妖怪である』

 

能力の方は知能が低いからあまり上手く使えないらしいが力は人喰いとあって強力なようだ。というか思ってたよりも強いと思う。

空が紅く染まっているのを見た俺は立ち上がって周囲を見渡したのだが、


「ご飯なのだーーー!!」


と大声出しながら彼女、ルーミアが飛びついてきたので思わず避けた。

いや、避けなきゃ死んでたそれくらい勢いがあったからアレ

 

 

 

それから俺とルーミアの追いかけっこが始まった。

ルーミアは闇や弾幕を使いながら追いかけてくるおかげで、こちらはかすり傷だらけ、もちろん血も出てる。

対する俺は右に左に逃げ回るばかり。

なんかおんなじところグルグル回ってる気がするのは気のせいか?と思ったところで最初自分が居たと思われる大木が見えてきた。

「振り出しかよ!コンチクショー!!………ん?」

 

投げやりになったのもつかの間突然目の前の草むらから誰かが出てきた。

ってまた女の子かよ!?

今から止まってもコケてダイビングして最悪ルーミアに食べられる隙を与えてしまうし…。


「えぇい!ままよ!!」

「とりあえずすばしっこいその長い足から…いい!?ぶ、ぶつかるー!!」

「へ?な………グヘッ」


とりあえず自身の安全を考えた結果誰かが飛び出してきた草むらに今度は俺が転がり込むというファインプレーを行なったのだが、見事なピタゴ◯スイッチが出来上がってしまった。

というか今女の子が出しちゃいけないような声が気がしたけど俺はそんなことは気にしない。


どうやらルーミアはいい加減俺の足を止めようと高度を下げながら飛んでいたようで俺の先までは見えていなかったらしい。となるとそのままその誰かと衝突してしまうわけで…。


「い、き、な、り、何するのよー!!」

「の、のか〜〜」

 

そのまま腕を掴まれ空に向かって投げ飛ばされていくのであった。

哀れルーミア、わき見運転は急には止まれないのだ……。

 


ただまぁ問題は残っている

妖怪の飛行スピードがどれほどかわからないが少なくともアレだけの勢いを受けて尚、

そのまま投げ飛ばせるのは相当の力のある妖怪じゃなきゃ無理だ。


「さてと…」


そして彼女はソレ可能なのを俺は知っている。


「血の匂いで大体かな?……わかるよ」


この世界に来る前、俺を守ってこの世界に託した少女。


「アナタ、人間でしょ?」


金髪、紅いスカート、宝石のついた羽根、見間違えるわけがない。


「私のゴハンになってくれないかしら」

 


フランドール・スカーレットがそこにいた…。